長岡亮介のよもやま話240「複数の情報に振りまわされて失敗したお話」

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 情報というと、現代社会において最も大切な意味を持っていると、多くの人が考えていると思いますが、私は、いわゆる情報過多と言われているのは知っていますが、現代は情報に溢れているというよりは、無意味な情報もどきに溢れている。本当に正しい確かな情報は、私達がその中から、本当に注意して選ばなければならないほど、現代は情報が不足しているのではないかと、そういうふうに思うことがあります。大きな事件が突発的に起きると、テレビのアナウンサーは本当にがなり立てるように同じことを何回も何回も繰り返します。「ただいま現場です。何も状況はわかっておりません。しかし、大きな事故が起きています。原因は不明です。全くわかりません。報告は入っていません。情報ありません。」という情報を垂れ流している。ものすごく恥ずべきことだと思いますが、第一報を入れるということが、最近のジャーナリストにとっては一番大切なことと思われているんでしょうね。私は、確かな第一報を入れることは大切かもしれないですけど、怪しい第一歩は入れないことの方が、むしろ賢明な人のやることではないかと思うんですが、いかがでしょうか。「いや、その情報がどのように役に立てるかは各自の判断だ」という言い方もあるかもしれません。「マスメディアっていうのは所詮そのようなものであって、マスメディアの発信する情報の中から取捨選択するという知恵が人々に求められる時代なんだ」という人がいますが、私自身の大失敗を通して、このような言い方が無責任なものでしかないということを、お話したいと思います。

 私は昨日でありますが、久しぶりに車を運転して、よく道のわからないところを、本当わかっているその近くまで行けばわかっているところなんですが、カーナビゲーションという新しいシステムを利用して、間違えずに行こうと思いました。それで、私はひどい目にあったのですが、大変な渋滞でこれだったならば、カーナビの言うことを聞かずに私の勘で来た方がよっぽどよかったのではないかと思ったくらいでしたが、帰路の道のときには、自動車についているカーナビゲーションは使わずに、もっぱらインターネットの世界で流通している最新のカーナビレーションを使おうと思いました。私がドジったことに、カーナビゲーションの音を切るというのにどこを押したらいいのかわからないまま、私の携帯電話とカーナビゲーションを同時に使うということをやってしまったんですね。おそらく携帯電話のカーナビゲーションは、本日の渋滞情報って、そういうものを既に手に入れていて、その上で最適の道案内をしてくれたんだと思いますが、私がパニックというか混乱に陥ったのは、自動車についているカーナビゲーションのものと、携帯電話のカーナビエーションの情報が180度違う。次の角を右に曲がれっていうのと、次の角を左に曲がれっていう、同時に出るんですね。それもちょっと困ったことには、携帯電話のナビゲーションは携帯電話が車の中にあるという関係もあって、GPS信号を時々受信できないことがある。そうなると、自動車の方はがなり立てるようにしょっちゅう情報をあれこれ指図するんですが、携帯電話のナビゲーションの方は沈黙してしまう。沈黙されると、こちらはちょっと不安になって、ついつい自動車のカーナビゲーションに頼ったりする。要するに矛盾した情報が同時に錯綜して私のところに入ってきまして、私はそのどちらを選んでいいかがわからないっていうそういう有様になってしまったわけです。全く情けない話で、一つに絞っていれば、遥かに良い簡単に正しい道を選ぶことができたんではないかと思いますけれども、この道を選び方というのは絶対に正しい方法、数学的に正しい方法っていうのはあるわけではなく、実用的に正しい方法にすぎないわけです。

 それでも二人の人が言っていることが違うと、混乱してしまうんですね。私は大混乱で自己嫌悪の奈落の底に置いて、はたと考えました。そうか、これがインターネットで、「これをすれば投資して損をしません」とか、「これをすればダイエットに失敗しません」とか、「これをすれば健康が維持できます」、という類の馬鹿みたいな情報が氾濫する理由なんだと。「あなたの勉強法は、こうだから間違っていたんです」というような情報が氾濫する大きな理由なんだとわかったんですね。要するに皆さんが、私がカーナビゲーションに頼るように、自分で道を確実に選ぶという自信と経験が足りないと、ついついそのような怪しげな情報であっても、私自身よりはまともではないかと思ってしまうんですね。その結果ひどい詐欺に遭うということになるんだと思います。現代は、その情報に溢れているという情報がしばしば自己宣伝の情報でありますので、それだけに情報に振り回されるということは、ものすごく大変なことなんだなっていうことを、自分の大失敗を通じて学んだというお話でした。

コメント

  1. Leo.橋本 より:

    こんにちは。

    ご無事でよかったです。

    大丈夫ですよ。
    私の父親なんて、”高速道路”を運転中に「まもなく、目的地周辺です。」とカーナビにアナウンスされていました。

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