長岡亮介のよもやま話231「ポイントビジネスとはどうなんでしょう?」

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 今日は、私達がもう少しだけ賢くなるというか、疑い深くなるということの重要性について考えてみたいと思います。昔、飛行機会社がマイレージポイントと呼ばれるもの、自社の飛行機をたくさん乗ると、それによって、飛んだ飛行距離に応じてポイントが付与される。そのポイントがたまると特典に交換することができる。1社だけですと、その航空会社だけを使うというわけにはなかなかいきませんので、いくつかの航空会社が大同してアライアンス(連合)を作って、そのアライアンスに属している航空会社であれば、どれであってもマイルはつけます。こういうような形で、世界が大きく二つの航空会社連合に分断された時代がありました。今もそれがきっと続いているのだと思います。

 私は、そのマイレージが始まった当初こそ、申告した一人になってそういうのを一生懸命集めたものでありますが、そのうち、その特典がそんな大したものじゃないっていうことがわかってから、興味を失ってしまいました。そしてそれが今やあらゆるところ、このカードで買うとポイントがつく。いわゆるポイントビジネスですね。マイルよりさらに微細化した、そういうポイントビジネスです。それに多くの人が取り込まれていますね。そして、ポイントを受け取るということは、買ったことの代償でありますから、言ってみれば買った人の権利であるのに、「ポイントがもらえる」という、何か非常に自己卑下した表現、これが一般化しています。会社によってはポイントを差し上げますというふうにいう代わりに、「ポイントがもらえるキャンペーン」、こういうふうな言い方をして、おかしくないでしょうか。元々ポイント分を値引きして売るのが普通なのに、その値引きする代わりに、後でその金額に相当するものがまた買えるように、つまりもう1回買ってもらうためにポイントを付与している。そういうビジネスモデルが世界中に普及しているようであります。ある意味で、消費者の弱い心理を突いたうまい方法なんだと思いますが、こういうものに慣らされていくと、ポイントを獲得するということを通して何が失われているかっていうことを、私達は全く考えなくなってしまう。値引きをするだけで、消費者に利益が戻ってくるだけで、売り手が儲かるはずはないですね。売り手は消費者のために売っているわけではなくて、売り手の売り上げを増進させるために売っているわけですから、ポイントを付与する代わりに何かを得ている。こういうふうに考えるのは、大人では常識だと思うんです。その大人では常識であるものを、子供たちから大人たちまで、あるいは年寄りまで巻き込んで、世界全体で展開される。おかしいなことであると思います。

 挙句の果ては国までやりましたね。いわゆるマイナンバーカード、このデジタル版を作ると、2万ポイントくれる。2万ポイントっていうと買い物に行くと2万円に相当する金額ですから、ずいぶん大盤振る舞いしたなというふうに思いますけど、国はくれるということは、それを税金を使っているということ。2万円税金が戻ってくるなら嬉しいけど、2万円分税金が無駄遣いされる。そしたら、多くの人は怒るんじゃないでしょうか。しかも当然のことながら、この2万ポイントを国民に配って、マイナンバーカードを普及させるために、国が使っている予算は、私は詳しいことは知りませんが、大雑把に言って3万円は使っています。つまり3万円の国税を使って、国民に2万円を配っている。つまり2万円を国民はもらって喜ぶ。これもおかしなことでありますけれども、税金なんですから。しかし、そのために1万円余分に税金が使われているとしたら、本当は噴飯ものというべきものでありますね。

 そのような、言ってみれば現代社会の中に、始めに出された虛議の情報のネットワークに国民がまんまと引っかかってしまっている。私達はもっともっと「うまい話には裏がある」というふうに、私は子供の頃、年取った人からいつも言われてきた言葉でしたけど、そういう昔の人の格言というか、教えというのを今の若い人たちも含めて、現代社会の人々は、もう一度考えるべきではないでしょうか。うまい話には必ず裏がある。それにしても呆れるのは、携帯電話に関してはいろんな会社が乱立になる。国際的に考えてみればもっともっと増えてもいいかもしれませんが、基本的には日本は大手4社。その他の会社は、この2次代理店あるいは3次代理店のようなものであるんですけど、そういう携帯電話の通常の4社と違うインテル社が指名するwimaxという電波を使ったサービスがあり、首都圏では大変にこれが便利である。人が多く住んでいるところで便利なもの、そして安いっていうのは、人があんまり住んでいないところでは必ずしもサービスされていない。そういう限界があるので、人によっては電波が通じないとか、自分の経験談をさも普遍的な事実であるかのように、立派な報告のように開示している人が結構いて、どこの位置であったとか混んだとか、その企画書まで出していている。実は日本でwimax通信をサポートする会社は大元は1社だけで、全てのwimaxのサービスは全部同一だといううべきです。場所によって悪くなるっていうのは、実はどこの回線と契約したかと無関係に、そういう田舎ではwimaxあんまり使えないっていうだけの話なので、この会社では損だとか、そんなそういう馬鹿げた情報が氾濫しているのも、一種のマイレージビジネス、あるいはポイントビジネス、その虚構に自ら進んで踊る人々のように、私には見えてきます。みなさんにもっとちゃんした認識的な根拠に基づき、きちっとした発表をすれば良いのに、自分の個人的な経験を言ったところで、そんな本人の言い分は私はあまり興味がない。皆さんはどうお考えになるでしょうか。

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