長岡亮介のよもやま話158「短編小説Smalltalk」

 私がこの企画を仲間の皆さんにすすめていただき、事務局長に手伝ってもらえると後押しをいただいたときに考えたのが、“ちょっとした小話”をやろうということでありました。その小話を英語でなんて言うかと考えたときに、これはSmalltalkと直訳すると面白いなと思ったんです。というのは、Smalltalkというのはコンピューターに詳しい方であれば常識的な話題でありますけれども、かつてパーソナルコンピュータの生みの親というべき立派な業績を残した人として、アラン・ケイっていう人がいらっしゃって、彼が現在の言葉で言えば、オブジェクト指向というようなプログラミングの考え方、あるいはユーザーにとって簡単なグラフィカルユーザーインターフェースというものの持つ意味、また個人がコンピュータを1台所有するということによって変わる人間のコミュニケーションと教育の世界、そういうものを非常に先駆的に見てた人がいるのですけれど、そのアラン・ケイが提唱した、あるいは彼が中心になってそのプロジェクトを開発した言語環境にSmallTalkというのがありました。

 現在も終わっているというわけではありませんし、また現在のiPhoneに繋がるアップル社の成功の影にアラン・ケイがあったんだということも、スティーブジョブスも認めるところであると思いますけれども、そのアラン・ケイに因んでSmalltalkって訳すと面白いなと思ったんです。ところで、小話というのは何なんでしょうね。よく短編小説というのがあって、すごく早く読み切ることができる。それでいて短編小説特有の切れ味というか、毒というか、フランス語的に言えば、エスプリというのでしょうか、それが詰まっていて、なかなか余韻が楽しい。短いながら余韻がある。

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