長岡亮介のよもやま話117「マハトマ・ガンディーの言葉」

 私は、「7500」というタイトルのついた商業映画を見ましたが、商業映画とはいえ、なかなか良いものでしたので、その映画自身の紹介を含めて、これをしたためます。7500というのは、おそらく7500フィートという飛行機の飛行の高さを考えて付けた名前かと思いますが、一言で言えば、ハイジャック犯人に襲われたコックピットの副操縦士が、大変な勇気を持って、ハイジャック犯人の残った1人とともに、着陸するまでの話です。その副操縦士が、まさに主人公なのですが、彼は結局何もできず、航空管制に従って、最も近いしかし天候の悪い飛行場へ着陸するという話に過ぎないんですが、そこで、言ってみれば、静かに戦うというか、敵に向かって断固戦うというのとは正反対の、本当に勇気ある静かな戦い。それは、敵に向かっての戦いというだけでなく、自分自身に対する壮絶な戦いと言っていいかと思いますが、そういう物語でありました。

 思い出してみるとその映画の冒頭には、マハトマ・ガンディーいう名前で知られたインドの非常に深い叡智を備えた政治家、社会運動家の名前が出ていて、「目には目を」という掟は人々の目を暗くする、という言葉が載っていたと思うんです。人間が他人の罪を許すことができるのか。それは「相手に対する同等の復讐を遂げて、相手を極刑に処すということを通しである」という考え方は、大変わかりやすい考え方ではあるけれども、よく考えてみると、それは結局、憎しみの連鎖しか生まないというのが、一言で言えば、マハトマ・ガンディーの言葉の意味だったと思います。

 私達は人を許すことによって、許されるということ。このことは、なかなか一般の人間には、理解できないことでありますが、そういう本当に偉大な人間と尊敬したい人が、世の中に存在しているということは、私達にとって、大いなる希望であり、自分自身の自己変革に向けての何よりも、勇気であると思います。私達は、他人に対して寛容であるということ。これが自分自身への戦いであるということ。凡人にとっては少なくともそうであるということを、強く思わざるを得ませんでした。

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